おふくわけの横顔ーおふくわけ vol.1レポート番外編
こんばんは!おふくわけです。
VOL.2まであと1週間!まだまだ参加者募集中です!
今回は、VOL.01「坊主が上手に福井の歴史を話します」レポート番外編をお届けします。
VOL.01レポートはこちらから。
おふくわけでは毎回、参加者の皆さんからの質問にゲストが直接お答えする「おふくわけカード」の時間を設けています。
ひとつひとつの質問に丁寧にわかりやすく回答してくださった、ゲストの藤川明宏さん。
が、、時間が足りず「私の質問読まれなくって残念だった…」というお声が…。
というわけで、多忙な藤川さんにお願いし(お優しい…泣)当日読まれなかった3つの質問も、特別に答えていただきました!では一気にどうぞ!
質問1 『江戸時代の福井(の変わった風習)って…?』
与えられたテーマが大きすぎたので、勝手に絞り込ませていただきました(^^;さて、福井の変わった風習といえば「越前の昼寝」が有名でした。
もともとは農繁期の農村部のお百姓さんたちが休息のために昼寝を始めたことが発祥のようですが、それが都市部の城下町にまで広まっていき、春から秋にかけて多くの地域では昼寝を習慣としていたようです。この習慣は明治時代に入ってもしばらく続き、客相手の商店でも多くが昼寝をしており、商売のやる気が全く見られない!と明治時代の新聞に書き残されています。生活様式の近代化・西洋化にともない、昼寝は“悪しき慣習”として槍玉に挙げられ、徐々に習慣としては廃れていきました。
現代の福井人は、どちらかというと“まじめで勤勉”というイメージですが、100年ちょっと前までは意外とおおらかな感じだったのかもしれませんね。昼寝の習慣が残っていたら「福井のシエスタ」としてアピールできたかも?!
質問2 『福井に並ぶ仏教県は?』
福井が仏教県と言われる理由はいろいろありますが、「人口10万人当たりのお寺の数が日本一」(NTTタウンページ調べ2016年)というのがよく挙げられます。2位島根県、3位富山県、4位佐賀県、5位石川県と続きますので、北陸3県はいずれも全国屈指の仏教県といえるでしょう。北陸では室町時代以来、浄土真宗の勢力が強く、お寺はもちろん、村落ごとに道場が立てられ信仰が広まっていきましたが、その道場が明治以降に寺号をもらって寺院化したことで、寺院数が増えたと思われます。
ところで寺院数日本一の県はどこか知っていますか?京都や奈良といった古くから仏教が栄えた古都が日本一と思われるかもしれませんが、実は愛知県が日本一で4605ヶ寺もあるそうです(文化庁「宗教統計調査」2011年) 。2位の大阪府が3394ヶ寺、3位の京都府が3084ヶ寺なので、愛知県は圧倒的な寺院数を誇ります。なぜこれほど愛知県の寺院数が多いのか、はっきりとはわかりませんが、愛知県は関西・関東の文化の結節点なので、宗教的にも東西それぞれの勢力が競い合うことが多く、寺院数が増えたのではないとかと推察します。また流通の要として商工業が発達したことでお金持ちが増え、その財力が神社仏閣の造営や祭礼にそそがれたというのもあるかもしれません。
質問3『学芸員の裏話 もしくは 魅力』
昨年担当した「福井の仏像」展では、約30箇所のお寺・神社・地域で守るお堂から仏像をお借りしました。日ごろ大切に護持されている仏像をお借りするというのは大変なことで、出展交渉はなかなかのタフ・ネゴシエーションでした。
あるお堂に祀られている仏像は33年に一度しか拝観できない秘仏で、何度かお願いに上がりましたが結局許可は得られませんでした。ただ、同じお堂に安置されている四天王の2体は、条件によっては展示させてあげてもよいとのこと。その条件とは何ですか?と尋ねたところ、「もともとは四天王なので4体あったが、むかし、別の村にもらわれて行ってしまったと伝えられている。行先は福井市の○○○町と鯖江市の△△△町。ついては、そのいなくなってしまった2体を見つけてくれたら、うちの2体を展示させてあげよう」という回答。なんというRPGか!とひっくり返りそうになりました(^^; 結局、どこかへもらわれて行ってしまった仏像2体は見つかりませんでしたが(調査は現在も継続中)、熱心にお願いしたおかげか、四天王像2体は博物館で展示させていただけました。
日ごろの調査研究の成果を発表する機会が展覧会ですが、展覧会が成功するかどうかのカギは、質の高い展示資料をどれだけ揃えることができるかにかかっています。出展の交渉はタフなこともありますが、所蔵者の方との話し合いの中で新たな発見があることもあり、貴重な資料を間近に拝見できる幸せもあります。こういう話もいずれどこかでご披露できればと思っています。
「今回は皆さんからの質問にたくさん答えていきたい」と、本番前から話してくださっていた藤川さん。質問がかぶってしまわないかなぁ…と運営メンバーはドキドキしていましたが、参加者の皆さんの個性あふれる熱い質問と、福井の歴史が好きだからこその回答をくださった藤川さんのおかげでとても楽しくて盛り上がる一夜となりました。
藤川さん、ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!!
次回5/27(土)のvol.02は、木地師であり、ろくろ舎 代表の酒井義夫さん。ここでしか聞くことができないお話が聞けるかもしれません!ぜひお越しくださいね。
これからのおふくわけも、どうぞお楽しみに。
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