vol.7 ゲスト唐川恵美子さんインタビュー
こんばんは!おふくわけです!
Facebookで告知のとおり、次回おふくわけvol.7が6月30日(土)に迫っております。
という訳で、「今回も集客がやばい」という悲しい現実はさておき、「そもそも今回のゲスト誰なん?」という疑念を少しでも和らげるべく、インタビューをしてまいりましたので、ご覧くださいませ!
今回のインタビュー、なんとゲストご本人の自宅で開催です。
(そしてゲスト、飲んでます…!)
ちなみに今回ゲスト、あだ名が「エミリー」のため、今回もエミリーと呼ばせて(書かせて)いただきます!
↑ゲストのエミリーこと唐川恵美子さん。自宅なので完全にくつろぎモード。
篠崎:こんばんは!とりあえず、四の五の言わず、自己紹介してください。
Emily:エェーッ!(※マスオさんの真似、でスベる)でも、いきなり自己紹介って難しいですよね。
篠崎:自己紹介が難しいって?今までたくさんしてきたでしょ(笑)?
Emily:相手によって変わるんです。例えば、篠崎さんみたいにまちづくりをやっている人なら「私、地域おこしやってるんです」って話すし、音楽つながりで出会った人には、「昔、音楽やっていたんです」と話すし…。だからAルートで出会った人と、Bルートで出会った人が一緒にいると、それぞれ知っている私が違うので、みんなが「エェーッ!(※マスオさん)そうなの?」って質問攻めになって、ずっと私の自己紹介になっちゃう(笑)。
篠崎:確かに、自己紹介って、別に今の仕事を答えなくてもいいもんねー。ちなみに今の仕事は?
Emily:みくに未来ホールというところで音響スタッフをやってます。イベントがあるときに、マイクの音量を上げ下げする仕事。それ自体はもともと私のやりたかったことではないんですが。
篠崎:あ、そうなの。じゃあ、本当のやりたいことって何?
Emily:文化イベントの企画です。音楽のコンサートとか、お芝居とか。理想としては、普段はコンサートホールと無縁の人に企画を届けたい。
篠崎:無縁の人に…?なんで?
Emily:音楽とかお芝居って、理由がなくても人を感動させることができて、1回でもそういう体験があれば、その人の人生さえ救えちゃう力があるんです。
篠崎:自己体験があるのねー。どんな体験?
Emily:学生のとき「音楽の都」ウィーンに留学していたんですけど、その時はお店のBGMの音を聞くのも嫌なくらい音楽が嫌いで。当時は音楽ではなく、ウィーンの建築とか映画に興味があったので、歴史学部に入って、劇場には絶対に足を運びませんでした(笑)。
篠崎:えぇ?なにそれ…。なんで音楽嫌いになったの?
Emily:6歳からピアノをやっていて、音大を目指した時期もあったんですが、体を壊して諦めました。「うまく弾けなかったらどうしよう」という不安にいつも追われていて、末期は鍵盤に手を置くだけで過呼吸になるくらいでした。日本独特の音大入試にも馴染めなかった。本当に辛かった。
でもウィーンで、日本から勉強しに来て、音楽が本当に好きで頑張っている音大生と出会って、音楽との付き合い方が変わりました。その友人はオーケストラが好きで、有名な指揮者が来るとコンサートに誘ってくれて、開演まで曲の聴きどころをアツく語ってくれる子でした。しばらくコンサートに慣れた頃、その子と一緒にドイツのブレーメンから来ていたオーケストラの公演に行って、不覚にもボロ泣きしてしまったんです。
それはもう「このアジア人、大丈夫かよ」って周りの人が心配するくらい(笑)。その時演奏していたのはベートーヴェンの「田園」と、「のだめカンタービレ」のオープニング曲だった「7番」。指揮者はパーヴォ・ヤルヴィという、どんなオケもめちゃめちゃ楽しくしてしまう人で、その時も皆めちゃめちゃ楽しそうで。理由はないけど、心が赴くままに感動する感覚を理解したんです。
そういう経験をすると、嬉しいときに嬉しい、悲しいときに悲しいと感じることが許されるので、何があってもなんとかなるさと思えるようになるんです。しかも人に深く共感できるようになって、人間らしい人になれる。そういう体験を他の人に提供できる側になりたいですね。
↑ウィーン留学時の写真。スペイン人の親友にフラメンコの真髄を学んだそうな。
篠崎:今ってさ、やりたいことやれているの?
Emily:舞台を作るという意味で、できていると感じるし、満足してます。
篠崎:聞いたところによると、東京でもそういう仕事はやっていたんでしょ?
Emily:東京でもコンサートホールで企画運営の仕事をしていました。けど、誰のためにやっているのかが曖昧だった。お客さんはいっぱい来るけど、お客さんに愛着が持てなかったんですね。チケットもぎりながら、別に私がやらなくてもいいんじゃないかなって。もっとお客さんと1対1のつながりを増やして、顔の見える関係の中で挑戦したいと考えるようになりました。「私がやるから意味がある仕事」「私だからこそできる仕事」を求めていたんだと思います。
篠崎:それで、いわゆる「地元」の福井に帰ってきたんだね。その時どうだった??
Emily:地元って実家があるところじゃなくて、ためになりたいと思える人がいる場所のことだと思います。実際、私は福井育ちで、恩返ししたい人や私の仕事ぶりを見てもらいたい人はいっぱいいるんですが、家族は関東にいます(笑)。
だから、地元がなくてもいい、というのはちょっと違うかな。人それぞれ、尽くしたい誰かがいることは、生きがいになるんじゃないでしょうか。
篠崎:もしさ、その人がいなくなっちゃたら?
Emily:その対象って、一人じゃないから、もしその人がいなくなっちゃったら、次はその人につながる人っていうふうに広げていく。
篠崎:なんとなくわかるんだよね。実家に帰った時、新しいお店とかどんどんオープンしてるはずなのに、あんまり足が向かない。なんでだろ?
Emily:やっぱりそこいる「人」が大事なんじゃないかな。そのお店を友だちがやってたり、意外な再会があったりすると、何かしたいなって思う気持ちが芽生えるのかも。私も福井の前は栃木に住んでいたことがあるけど、そっちはそっちで福井とは違う愛着があるし。
篠崎:プロフィールで言うとさ、地域おこし協力隊になろうと思ったのはなんで?
Emily:2年前の5月、東京の友人と福井を旅行したとき、今立(今の越前市の一部エリア)のほうの広い田んぼと峠山、青空の風景にピピンときて、福井に帰ろう!と決めて。その時に出ていた福井での求人の中に、出身である坂井市の募集がたまたまあったんです。地域の人と1対1の関係をつくるには協力隊という仕事がうってつけだと思ったし、そういう関係をその後の仕事で生かしていきたいと考えて。
篠崎:実際に地域に飛び込んでいくうえで大事にしていたことって何?
Emily:いかにポジティブにいられるかだと思います。一番やっちゃいけないのは、「なんで私ばっかりなの」ってプリプリすること。
篠崎:まちづくりをやろうとしている人、そういう境地に陥りやすいと思う。自分の今までの「モノサシ」を捨てないとなかなか難しいよね。
↑5歳まで過ごした栃木県日光時代の写真。いま住んでいる坂井市竹田地区にどことなく懐かしさを感じるのも、当時の思い出があるからだとか。
Emily:私も以前はまさにそういう思考回路だったんですよね。自分のスキルと働く条件が見合っているかが気になって、私ばっかりやってて他の人がやってないように見える。でも一方で、働く条件に自分の仕事ぶりを合わせると、本当はもっとやりたいのにな…ってストレスがたまる。協力隊をやって、もうそういうことは気にしなくなりました(笑)。協力隊ほど見合わない仕事はないと思いますから(苦笑)。自分の価値ってお金では測りきれないと思うんです。
篠崎:地元で生業を作るって、色々なハードルと独特の時間の流れがあって、なかなか難しいよね。
Emily:Iターンだと特に地域に全くコネクションがないから、それでまちづくりしようとする人は本当に偉いなあと思う。
篠崎:うん、立派だなと思う。だけども、いきなりよその人が「あなたの地元を活性化するために来ました!」って言って来られても、地元の人も困惑するよね。地元には必ずニーズとが課題があって、それを解決してあげればみんなハッピー!みたいなスタンスで飛び込んでくるのは、もし自分が地元の人の立場になった時にどうかなって思う。
Emily:地元の人にそもそもニーズがないって場合もありますしね(笑)。地元の人のニーズに真正面から応えようとすると、あんまりうまくいかないことが多いですよね。地元の人も想像しないような、ナナメ上を見すえた解決策を実践できるといいのかも。一見問題に取り組んでいないようでありながら、実は気づいたら解決になってたかもー!みたいな。そのためには、地域の課題をどういう切り口で見るか、その上で社会とどう関わりたいか、その人の哲学が試されるんじゃないでしょうか。
よくまあ、お酒を飲みながらここまで話せること…(笑)
見返すと、めっちゃ真面目な話ばかりしてますが、実はこれ全体の20%くらいで、あとは「恋愛話」とか「プーさんのモノマネ」とかで盛り上がっていました。あまりに酷いので(というか、文字では表現不可能なので)割愛します…(笑)
という訳で、インタビューはここまで。
掘れば掘るほど、色々な引き出しが出てくる今回のゲストのエミリー。おふくわけ当日は、くだらない話と真面目な話を何往復もすることになりそう…。
↑右は地元のおばあちゃんの一句。左はそれに対するエミリーの返歌。
ぜひゲストのエミリーと「地元」について話してみませんか?みなさんが考える地元の哲学、みんなでシェアしたいです!
ご来店お待ちしております!
「おふくわけ vol.7」
テーマ:「地元哲学」
ゲスト:唐川恵美子さん(みくに未来ホール職員)
日時:2018年6月30日(土)19:00(18:30開場)〜21:00
場所:福井県福井市中央1丁目22-7 ニシワキビル(通称スナックランド)2F
料金:2,000円(乾杯の飲み物+お代わり1杯+おつまみ)※3杯目からは追加料金
定員:10名(要予約)
▼参加のお申し込みはコチラから
https://docs.google.com/forms/d/1QSmk5idkVg7D0tF21KL__ecvpjJBcEaGfVmiW0dFTbs/edit
▼お問い合わせはコチラから
ofukuwake.fukui@gmail.com
(返信に少しお時間をいただいております)
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