おふくわけの横顔 -おふくわけvol.6レポート-

あけましておめでとうございます!おふくわけです!


ついに2018年が明けてしまいました…!

つまり前回おふくわけから年をまたいでしまったわけです…。

「いや、どんだけマイペースなんだよ…!」というツッコミは、当たらなかった年末ジャンボ宝くじと一緒にゴミ箱にポイです。嘘です、ちゃんとすぐに書きます。ごめんなさい…。


いつもどおり、ゆるゆると書いておりますが、年始でバタバタしている皆さんが、このブログを読んで「んふふ」と笑っていただければ嬉しいです。「ははは」でも「ぬふふ」でも、何でもいいです。



さて、TSUGI 役員・デザイナーの「チーコ」こと寺田千夏さんをゲストにお迎えしたおふくわけvol.6「酒呑みチーコと下戸ルーコの夜な夜なデザイントーク」当日ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

お待たせいたしました!当日のレポートです!


なんと今回は、福井在住より県外からお越しいただいた参加者の方が多いことが発覚!このおふくわけが生まれるきっかけとなった福井市のプロジェクト「XSCHOOL」の同期生&2期生にも駆けつけていただき、感無量です!


はい!そして、こちらがゲストの寺田さん、通称「チーコ」さんです。レポートでもチーコさんと呼ばせていただきます!改めまして、ご来店ありがとうございます!


今回は特別におふくわけのデザイン担当・吉鶴(通称「ルーコ」)とのトークセッション形式にしました!


「みんなで乾杯とかせぇへんの?(汗)」

というゲストからのツッコミでスタート(笑)


おふくわけスタッフ、大事な乾杯を忘れてしまうというまさかの失態です。スミマセン!

気を取り直していきましょう…!



乾杯とゲストの自己紹介(※)が終わりまして、実際にチーコさんが普段どんなお仕事をされているのか、プロジェクターで投影しながら説明していただきました。


※自己紹介につきましては、チーコさんへのインタビュー記事もぜひご覧ください!

(前編)→https://ofukuwake.themedia.jp/posts/3264467

(後編)→https://ofukuwake.themedia.jp/posts/3291326



チーコさんは、TSUGIの基本コンセプト「支える・作る・売る」の中でも「支える」をメインに、アートディレクション・グラフィックデザインを主に担当されています。

今までのお仕事の中で特に印象深かったものを、レポートでも簡単にご紹介します!(写真は全てTSUGIのHPから拝借しました)



・福井県鯖江市 西山動物園「レッサーパンダのいえ」

かわいいロゴはもちろん、チーコさん!キャラクター製作から展示パネルまで総合的に担当されています。長期間一緒に仕事を進めてきた動物園の園長とは今でも仲良しだそうです。レッサーパンダにはよく可愛い名前がついてますが、動物たち本人はあんまり自分の名前を認識してないとか…。





・並べると一枚の絵になる和ろうそく「絵ならべろうそく」

「今までの販売場所だけでなく、雑貨屋でも売りたい。これまでの和ろうそくのイメージを変えたい」というクライアントの要望を受けて作られています。並べて楽しめるのはもちろん、実は1本でも成立する絵柄になる、ひとつひとつこだわった和ろうそく。箱の構造とろうそくの絵柄を調整するだけで半年もかかったとか!花火以外にもお月見など、春夏秋冬の4種類のデザインがあり、ギフトにもぴったりですね。





・徳島県阿波市の移住案内パンフレット「あわアワ〜」

おいでよ!のどかな田舎生活★みたいなものを作っても、ごまんとある移住案内パンフレットの中に埋もれてしまう…。そこで、まずはこの土地のおもしろさを発見するべく、徳島県阿波市に約1週間滞在し、制作をスタートされています。取材・リサーチの際には、チーコさん手作りのあわアワ〜の旗を持ちながら各地を訪問し、ちょっと気になる珍スポットやまちの人を掲載。なんと日本で最初の秘宝館も載ってます!が、実際に掲載されるまでは色々な経緯があったそうです(笑)





最後は、今年も福井県鯖江市河和田地区にて開催された、産地の工房を開放する年に一度の体験型マーケット「RENEW」のメインビジュアル誕生秘話についてお話いただきました。

実は昨年までほとんどRENEWの運営には関わっておらず、今年初めてアートディクレクションから担当することになったチーコさん。

RENEW、ものづくり、鯖江など…そこから連想する言葉をひたすら書き連ねてマップ化し、色やかたちに落とし込む日々が続きます。あれやこれやとグラフィックを提案しますが、チーコさんもメンバーもなかなかピンとくるものが出てこない…。朦朧とペンを動かす日々。


RENEWとはそもそも何なのか。

数ある工場見学イベントの中で、この土地らしさってなんなんだろう。

一から考え直し出来上がったのがこのシンプルな赤玉のデザインだそうです。


漆器といえば「赤」

お椀やメガネの形の「丸」

その赤丸が重なることで意味する「変化」「集合」「人の縁」

一見シンプルですが、実は色々な意味が込められて完成したデザインなのです。


来年のRENEWの話もすでに始まっていて、来年も引き続きこの「赤丸」デザインが使われる予定!楽しみですね。同じ赤をモチーフにしたおふくわけも何か一緒にやりたい…(と、つぶやいて見たり…!願いよ関係者に届け!)





さて後半は、参加者がゲストに聞いてみたいことをカードに書いて、その場で直接お答えいただく「おふくわけカード」の時間です!デザインに関わるお仕事をされている参加者が多い今回、一体どんな質問が飛び出すのでしょうか!?



Q.「デザイン」と「ブランディング」の関係性とか位置付けってどんな風に感じていますか?

(「本職はデザイナーではないのに、上司からデザイン関係の仕事を振られて困った…」という参加者の方、ご本人の実体験に基づく質問です。)


 A.

(チーコ)あんまり関係性とかを考えたことないなー。TSUGIも「パッケージ作ってください」とか「カタログ作ってください」とかの依頼があるけど、よくよく話を聞いていくと今やるべきことはそこじゃない…!というお仕事が結構多い(汗)ロゴを変えたから売上が上がるとか、そういう話じゃなくて、もっと根底のところにフォーカスしていく。だから、結果的に「ブランディング」とか「コンサルティング」と呼ばれる仕事にシフトすることが増えているんやけど、実は私的にはあんまり好きな言葉じゃない…(こんなこと言ったらメンバーに怒られそう笑)。だって会社やブランドって自分が関わる前からあったわけで、今更「刷新しましょう!」というのはなんだか違和感を感じてしまって…。それよりも大事なのは、もっとお互いを知っていくこと、暑苦しいですが「もっと一緒に恋愛しましょう!」という姿勢かな。なので、ちょっと誤解を招くかも知れませんが、最終的に出来上がったデザインが好きかどうかと言われるとそうでもない…(笑)好きだ!という気持ちよりも、私もクライアントも仕上がったものを愛していけるかどうかを大切に、愛を持って接することを大事にしています。だからデザインとブランディングの関係性はあんまり気にしないですね。


(ルーコ)愛を持って接する、大事ですよね。「好きにやってね」という依頼の時に多いことが、提出案にダメだしをし続ける…。これデザイナーあるあるなんです。デザインに対して、ちゃんとした思いを持っている人こそ、話していて本質部分に直結しやすい。逆に思いが少ないと、ダメ出しすることが仕事になってしまってくるんだと思います。


(チーコ)「可愛いもの作って」って言われた時は、「まずあなたの可愛いって何?」って聞きますね。ファッション雑誌とかを持ってきて、お互いに可愛い・可愛くないと思えるものに付箋をつけていったりしますよ。制作時間よりも、クライアントと話している時間の方が長いときもありますね。


(ルーコ)わたしも少し似ていて、向こうの言葉が出てくるまで聞き倒すことを大事にしています。そうでないと丸投げになってしまう。そして、最後はデザイナーのせいにされてしまう怖れもあるので…。クライアントにとっても、デザイナーにとっても、悲しい結果になってしまうことは避けたいです。




Q.今注目しているデザイナーさんは?


A.

(チーコ)富山県高岡市のROLE羽田純さん(http://haneda-jun.net/profile.html)。大阪出身で同じ移住者。デザイン事務所からフリーランスになる人はよくいるけど、羽田さんはギャラリーのキュレーターからフリーに転身した、ちょっとめずらしい経歴。TSUGIは「柔らかい」イメージのデザインが多いけど、一方羽田さんのいるROLEは、一言で言うと「ガテン系」。良い意味で常に周りに喧嘩を売っている感じ(笑)彼の考案した、高岡市の職人のキャッチコピー「ガラが悪いが腕はいい」はお気に入りです。あと東京のMUTEさん(http://www.mu-te.com/)も気になっています。新しいはずのものなのに、生活に馴染んでいて、これも良い意味で目に止まらない。あたかも昔からあったような感覚になるデザインが気に入っています。


(ルーコ)私はブックデザイナーの佐藤亜沙美http://www.satosankai.jp/)さん。本の装丁を専門にするデザイナーで、その本の内容が見ただけですぐわかるような、ワクワクするようなデザインがとても魅力的なんです。あと私は漫画が大好きで…いつか漫画に関わるデザインをしてみたい!尊敬しているのは、川谷康久さん。おっちゃんデザイナー(笑)なんですけど「俺物語!」や「青空エール」などの実写化されている人気少女漫画をよくデザインされていて「お!素敵な表紙!熱い!」と思ったらだいたい川谷さん。本当すごいです。



Q.どんなスナックをつくりたいですか?(←なんのこっちゃわからない方がほとんどでしょう!詳しくはインタビュー記事をチェック!スナックのバイトを経験したことがある参加者からの質問でした!)


A.

(チーコ)今のスナックの「ちょっと派手めな女性が夜に開く」イメージをちょっと変えたいんです。個人的に、昼間は週3日くらいでデザインの仕事して、そのままクライアントを自分のスナックに呼んでお酒を飲みながらじっくり話すとかめっちゃやりたい(笑)夜の仕事だからなのか、免疫ない人はちょっと引いてしまうけども、スナックってめっちゃ人情味ありません?おっちゃんの世間話とか聞くの、すごく好きなんです。まあ、ぶっちゃけて言うと、TSUGIの立ち上げの前、資本金を貯めるために、実は日雇いでスナックとかガールズバーでバイトしてました(笑)

(ルーコ)私は…ごめんなさい、特にやりたいとは思っていないので次の質問に行きましょう!(笑)


おい、吉鶴!ゲストがスナックについて語ってんねんぞ!





Q.自分のデザインにGOを出す瞬間の不安との付き合い方は?

(こちら現役のデザイナーさんからの質問です!「私の背中を押してほしい!」との個人的な意見も…。)


A.

(チーコ)めっちゃあるー!わかるー!(笑)不安はずっとつきものですよね…。

(ルーコ)(めっちゃ頷きながら)薄情かもしれないですが、回を重ねる…でしょうかね、こればっかりは…。確かに不安はありますが「よし!」と思えるまで、納得いくまで、やりきる…でしょうか。もし不安がなくなったら、それがそれでダメだと思います…。

(チーコ)で、結局どんどんおっさんになってくよね…(笑)ゴリゴリしてくるし…。


→「結論:おっさんになる」(まじで根性仕事!)




Q.次にやってみたいデザインは?(お仕事は?)


A.

(チーコ)教育関係に関するお仕事がしてみたいですね。子供にデザインを知ってもらう機会が増えればいいなぁと日々思っています。ゆくゆくは、子供のなりたい職業の中にデザイナーが入ってほしいですね。実は以前から交流のある、武生のハルキャンパスの森くん(おふくわけvol.4 「サイコーな教育ってなんだろう?」のゲスト!)のお手伝いもさせてもらっていて、順次お披露目できそうです。お楽しみに!


(ルーコ)今は会社員デザイナーで比較的決められた仕事をやっているので、今後は自分で企画してみたいですね。お仕事ではないですが、昔から猫が好きでどうもペットショップが苦手。生き物に値段をつけることに違和感を感じています。とはいえ、動物愛護関係のデザインは攻撃的おどろおどろしいものばかりが多くそれでは根本的な解決にはならない。保健所に送られてしまう動物たちが少なくなるように、強いメッセージではなく、興味がない人にも「あれ?」って思うきっかけを与えられるような何かをしたいです。



なんと、ここで参加していたお客さんから「私も似たようなことをやってみたいと思っていた!」とのご意見が!その方も、昔から猫を保護し続けていて、動物愛護の伝え方に長年違和感を感じていたとのことです。


→「結論:一緒にやりましょか?」(素敵な出会いになること期待しています!)




Q.デザイン女子の恋愛事情について(めちゃくちゃ忙しいのにどうやって恋愛しているの?との質問です!)


A.

(チーコ)ちょっと待って!めちゃくちゃ忙しいって言っちゃうと、あんまり誘ってもらえなくなるからやめて!(笑)どちらかと言うと、仕事で出会う人とかの方が気があうかなー。この人いいかもなーと思う人は基本的に仕事で会う人な気がする…。


ここで、今まで出番があんまり無かったマスター篠崎から余計な質問が飛び出します(よせばいいのに!)


(篠崎)今までデザイナーとお付き合いしたことありますか?デザインの方向性の違いで仲悪くなったりしたことがありませんか?


(チーコ)あります!その方はとても器の大きい方だったので、ちょっと違うなという意見も一旦受け止めてくれてそれから「僕はこう思う」みたいな感じでした。めっちゃよかったです(遠い目)


※マスター篠崎から「なぜ別れたのか?」という質問がありましたが、あまりにもデリカシーがなく、おふくわけのイメージダウンしかならないのでここでは割愛いたします。


(ルーコ)仕事をバリバリやるから、一人でも大丈夫だと思われてしまいがちだけど、そういうわけじゃないんですよね…(遠い目)勝手に相手から「強い」と思われちゃう。こういう部分、もしかしたら女性としては損かも。


現役デザイナーのお客さんからはこんなご意見も…!

「仕事柄なのか、全部進行を考えちゃうよね。『それもうそろそろ動いた方がええんちゃう?』とか相手の男性に言っちゃうわ(笑)」


恋愛トークで場が温まったまま、おふくわけも終了…するかと思いきや、チーコさんの今後の活動がどうしても気になる!という方から最後に滑り込みで質問が飛びます。



Q.これからもずっと鯖江でやろうと思っていますか?


A.

(チーコ)思ってません!鯖江が嫌だ、この町が絶対だ、ということではなくて、鯖江と別の地域を繋いだりする仕事とかをやっている中で、1拠点に止留まらなくても、2拠点で活動する事も十分あり得ると感じてます。心がけているのは常に「ガヤ」の視点でいること。鯖江に馴染みすぎると、実態がよくわかんなくなる。「外から見た鯖江」という視点を大事にしています。





今後の活動についてちょっぴり真面目な話も聞けたところで今回はここまで!満席で盛況の中、無事に終えることができました。


一人の女性デザイナーが、デザインをどう捉えているか、クライアントをどう考えているか、なんだかものすごく熱いものを感じました。


「デザイン」が見た目だけをよくするものではないことは、少しづつ世の中にも浸透していると思います。当日おふくわけに参加して、またレポートを読んで、少しでも「デザイン」そのものについて振り返る、また「デザイナー」という仕事を考えるきっかけになればいいな、と勝手に思っています!


んふふ、最後真面目なこと言ってしまった!(笑)

うまく締まらないと真面目なコトを言って逃げるのが癖です。


チーコさん、素敵なお話を本当にありがとうございました!


さて!今回初めてマスターを務めた吉鶴の話ぶりもいかがだったでしょうか?初の試みでしたが、楽しんでいただけたでしょうか?今後も色々「魅せ方」を変えて、皆さんにたくさんの「おふくわけ」をお伝えできればと思っています!いつか「マスターをやってみたい!」と自ら名乗り出る人が出てくると嬉しいなー。


そう、魅せ方を変える…と言えば…


(はい、ここから告知ですよ!)

次回おふくわけ、なんと福井を飛び出し「富山」で実施します!


Facebookページではすでにイベントページが立ち上がっていますが、次回2018年2月17日(土)富山で開催いたします!


なんと、このおふくわけを始めるきっかけになった「XSCHOOL」のプログラムディレクターを努められた内田友紀さんを講師に迎えトークイベント「まちづくりセミナー2018」が富山市で開催されます。そしてその懇親会企画を、この度おふくわけが担当させていただくことになりました。


今回はなんと!内田 友紀さんの他にも、福井でクリエイティブに活動している「福井人」なゲストを何名かお招きし、いつもよりちょっぴり広い会場で開催させていただくことになりました。


当日のゲスト及び企画内容はFacebookにて随時更新予定ですので、ぜひチェックしてください!


「出張おふくわけin富山」

日時:2018年2月17日(土)18:00〜20:00

場所:マチノス(牛島屋中央通り本店/富山市中央通り1-6-9)

費用:5,000円(福井を感じさせる食事&飲み物付き)

ゲスト:内田 友紀さん(Re:public)他

定員:40名


Facebookイベントページはこちら!

https://www.facebook.com/events/1528327850593626/


申し込みはイベントページ内にあります「▽参加申し込みはこちらから」に記載のURLからお願いします!


皆さんのご参加お待ちしております!





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